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たこばし
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更新日時:2011-02-23 19:40:49
投稿日時:2011-02-23 19:40:49

俺の女   第四話  謎の女 その2

登録タグ: エロスの解剖  サキュバ  夢魔 

作者: たこばし

カテゴリー :オカルト小説
総ページ数:8ページ [未完結]
公開設定:公開  [R-18]

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著者の作品紹介

梗概     俺の女    

 この物語を語る「俺」の名前は、広本卓也。
犯罪、殺人事件を専門に扱う35歳のフリーのルポライターである。
 5月のある日、広本は中学、高校の同級生で親友だった増田義明の自殺記事を新聞で見つける。
葬儀に参席した広本は、高校時代の同級生に当たる増田の妻の淳子(旧姓、安藤)から増田の自殺の真相調査を依頼される。
淳子の話によると、増田は女を作り、3月より家を飛び出して、淳子とは別居中だった。
 増田は別居先の小さなマンションの一室で頚動脈を包丁で掻き切って自殺したが、増田の自殺現場のマンションの室内を詳しく調べた警察は、部屋には不審な点や、女の影も見当たらないので、増田の死を自殺と断定した。
しかし淳子は妻の直感で、増田には女がいて、その女が増田の自殺に深く関わっていると主張して、広本に増田の自殺の真相解明を依頼した。
 淳子の依頼を引き受けた広本は、自分の仕事をすべてキャンセルして、増田の住んでいたマンションに2泊して調査を行う。
血塗れの自殺現場の書斎を片づけ、本棚、デスク、パソコン等々すべてを隈なく検索した結果、増田は、「Sanvi、Sansanvi、Semangelaf」という呪文のような意味不明の言葉を書き付けた紙切れをお守りのように身につけ、さらにその言葉を書斎とベランダの壁にペンキで書き殴っていたことが判明したが、それ以外に女の手がかりは何も発見できなかった。
 広本は、淳子を再び訪れて、増田の貴重品、財布、住所録、携帯電話を調べるが、住所録の中から謎の女の手がかりとなる3人の電話番号を見つけ、電話番号のうちのひとつから、ついに謎の女とコンタクトを取ることに成功した。
 広本は銀座のホテルのロビーの喫茶室で問題の女と会うが、広本の前に現れた女は、山口リリムを名乗る二十歳の謎めいた美女。
リリムは、亡くなった植物学者の父親の跡を継いで、園芸で生計を立てていた。
 リリムと接触して調べていくうちに、次第にリリムに惹かれていく自分自身を強く自覚した広本は、ついにリリムと男女の関係になってしまう。
一線を越えてしまった広本とリリムのふたりは、爛れた愛欲生活に耽るが、リリムとの放埒な生活を続けていくうちに、強い意志の力で心の奥底に封印してあった忌まわしい出来事の記憶が、広本の中に甦った。
 それは広本が中学2年生の時のことだった。
広本には山本ユキという同級生の恋人がいたが、夏の浜辺での些細な悪戯から広本は同級生の増田義明、青山英明とともに山本ユキを死へと追いやってしまう。
この秘密を厳守することを広本、増田、青山の3人は誓い合うが、その死んだはずの山本ユキにリリムは瓜二つ、そっくりだった。
広本は山本ユキの面影を宿すリリムを抱くうちに、増田を自殺に追い込み、自分とも深い関係になったリリムは、ユキと何かつながりがある女なのではないかという疑念を抱く。
 広本は音信不通の青山英明の足どりを辿るが、商社マンの青山は、昨年4月に焼身自殺したことが判明する。
広本は、青山が焼身自殺したマンションの一室を訪れ、青山の置き土産のリリムの肖像画を手に入れるが、その裏にもやはり謎の呪文が書き記されてあった。
 リリムはユキの復讐のために3人の目の前に現れたのではないかと疑った広本がリリムを問い質したところ、リリムは輪廻転生の話題を口に出し、ユキの霊魂、人格が自分の中に再生していることをほのめかした。
真相を探るため広本は、リリムに催眠術=前世催眠をかける決意を固めて、知り合いの開業医の細川昇を訪ねるが、細川は催眠術の代わりにスコポラミンとフェノバールというふたつの薬を広本に与えた。
自白作用があるこの薬を使って広本はリリムを催眠状態にするが、催眠状態になったリリムの中から、リリムの母親を名乗るリリスという謎の女の人格が出現して、リリスはリリムの秘密を広本に語った。
幼くして母親を失い、男手ひとつで育てられてきたリリムは、植物学者の父親により毒草の毒を与えられて有毒体質に変えられていたのである。
 人間には愛する相手の存在を肯定すると同時に、これを破壊したい、殺したい、そして我がモノとして同化したいという両極端な感情に走ることがあるが、リリムは青山、増田を完全に知り、自分と同化させるためにふたりを自殺へと追い込んだのであった。
 この事実を知った広本は、死を覚悟してなおもリリムと愛し合うが、ふたりの愛は、死をも乗り越えた霊肉の一体化を通して成就して、リリムは懐妊した。

参考文献 

【題名】 俺の女    

(1) 聖書 日本聖書協会 1954年新約、1955年旧約
(2) 聖書辞典    新教出版社編 1968年
(3) 世界史事典   平凡社 1983年
(4) 分析・多重人格のすべて  酒井和夫著  リヨン社  1995年
(5) オカルト(下) コリン・ウイルソン著 中村保男 
            河出書房新社 1995年
(6) 殺人・呪術・医薬 ジョン・マン著 山崎幹夫訳 東京化学同人 1995年
(7) エロスの解剖 澁澤龍彦著 河出書房新社 1984年
(8) 毒薬の手帖  澁澤龍彦著 河出書房新社 1984年



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