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みとなんこ@紺
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One-side game

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0.





雨季を抜けたか、久し振りにからっと晴れた良い日和のことだった。
薄く開けられた窓からは心地よい風が吹き込んでいる。
その座席には家族連れがいたはずだが、だんだん強くなっていく日差しを嫌ったか、別の席に移動したようだった。
もうすぐトンネルの多い地帯に差し掛かる。彼は留め金を外して窓を閉めた。

と、巡回中の若い車掌は、何か普段とは違う空気を感じて傍らの乗客をちらりと見やった。そこだけ、列車の中(の極一部)には重苦しい空気が立ち込めているような気がして。
しかし東部へ向かう朝一番の長距離急行列車ともあって、乗客の姿はまだまばらなことが幸いしたか、他にその一角の重い空気を特に気にする者はいない。
変わった取り合わせだった。
赤いコートの金髪の子供と、座席を一人で占領してしまいそうな大きな鎧の2人連れ。
しかも何だか2人して難しいカオをして互いに顔を突き合わせている。
視線の先にはよく似た感じのトランクが2つ。
どう言えばいいのか分らないが・・・顔を寄せ合って身じろぎ一つせずに固まっているのが非常に不審だった、ので。


「・・・なんか変わった子がいますね」
その場は何も言わずに通り過ぎ、部屋へ戻ってきた車掌は、キャリアの長い年配の車掌に声をかけた。
チェック中の時刻表に視線を落としたまま、車掌は短く応えた。
「次の停車駅は」
「ペオリアです。10時25分まで20分の停車予定」
流れで確認を終えると、そこで漸く車掌は顔を上げた。
「それで、変わった…って何がだね」
「ほら、1つ前の車輌の。途中で見ませんでした?子供と鎧の取り合わせ」
「鎧と?・・・ああ」
やはりあの取り合わせは目立つ。すぐに思い当たったらしい。だが、その後は予想とは違い、彼は何でもないように笑って手を振ったのだ。
「気にしなくて良い。・・・いや、この場合気にした方が良いのか?」
「え、どういう事ですか?」
「お前さんこの路線初めてかね」
「いえ、ただ長距離路線はまだ日が浅くて…」
「だったらあまり乗り合わせないかもなぁ…あの子たちは主に長距離列車ばかりだからな」
「・・・はぁ」
・・・なんだろう、このマゴを見守るおじいちゃん、なノリは。
確かに片方はお孫さん…くらいに当たるかもしれないが、鎧は無理だろう、鎧は。
しかしそんな内心を読んだか、それとも若い車掌の顔に出ていたか、彼はようやく伏せていた顔を上げた。
「エルリック兄弟って聞いたことないのかね」
「え?…あれじゃないですか、国家錬金術師の?」
「ああ、そう、それ」
そうそれって。
え、だから?
「・・・・・・・・・え?」
そこでようやく線が繋がった。
「え、えー!?アレがそうなんですか!?」
「前に一度列車ジャックに乗り合わせてなー。中々見ものだったぞ。図体のでかいテロリストたちをあっという間に一網打尽にして」
うんうん、と何だか楽しそうに回想しているようだが、中々不穏な内容だった。
まぁ確かにそんなに治安はよろしくない(というか、四方の地方の中では一番治安の安定していない地域)のはイースト方面ではあるが、この慣れっぷりはどうなんだろう。
次、移動願い書くべきなんだろうかとかを頭の片隅に思いつつ、取りあえず目先の疑問は解消された。ここしばらくよく聞く名前であったからかもしれない。嘘か本当かよくわからない武勇伝と共に。
まぁでも、あのナリなら納得だ。
「はー・・・さすが、あの有名な鋼の錬金術師ですねー。あーそうかぁ…だからあの鎧なんですねー…」
「ん?」
「え?」
「・・・何か誤解しとるようだから訂正しとくが。そっちは弟」


・・・・・・え?


作品名:One-side game 作家名:みとなんこ@紺