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律姫 -ritsuki-
律姫 -ritsuki-
novelistID. 8669
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君ト描ク青空ナ未来 --完結--

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俊弥さんも誠司さんのことがきっと心配で仕方がないんだろう。
でも、その気持ちを押して、僕との約束を守ってくれてる。

僕は…どうすればいい?

誠司さんの迷惑にならないために離れたのに、結局未だに迷惑をかけっぱなし。
会いに行けば、探すのをやめてもらえば誠司さんは元の生活に戻れるんだろうか?

『答えは今じゃなくてもいいから、考えてみてほしい』

ドアの向こうから最後に聞こえた言葉。
選択肢なんて、なかった。
俊弥さんの言うことが一番望ましい方法なんだってことはわかる。
あの人には、心配しないでって一言だけ言って、またいつもどおりに働けばいい。
たった一言、言いに行くだけ。

なんて言われるだろう?
黙って出て行ったことを怒られる?
あんなにお世話になったのに。

それでも、僕にできたことはそれくらいしかなかったから。
迷惑をかけないために、誠司さんの輝かしい未来のためにできることはそれだけだった。

そうして今、もう僕に対して責任を感じる必要はないです、と言えばあの人は探すのをやめてくれるだろうか?
僕は何をすれば、あなたのためになることができますか・・・?

その答えをみつけることができれば、こんなに苦しまないのに。

もう会わないって誓った。それがあの人のためになるとおもったから。
いつか、僕のことが邪魔になる日が来る。
でも、やさしいあの人はきっと邪魔だなんていえないだろうから。
早めに・・・傷が浅いうちに・・・そう思って・・

心に残った傷跡は決して浅くなんかなかったけれど。

そう思ってしたことでさえ、まだあの人に迷惑をかける原因になってる。
責任感が強いから、いろんなことを自分の責任だと思ってるのかもしれない。
あなたのせいじゃありません、全部僕のわがままです、ごめんなさい。
僕がそう言いに行かないと誠司さんの中では解決しないのかもしれない。

それなら、行くしかない・・・。
あふれてくる感情をすべて殺して、それだけを言いに行こう。
そうしないときっと離れたくなくなってしまう。
心地いいあの人のそばにずっといたくなってしまう。

でも、それはいけないことだから。

「千晴さんにお休みをもらう相談をしに行ってきます」

聞こえたかどうかはわからないけれど、部屋の中に向かってそう言った。
そうして自分の部屋に戻った。

頭の中でいろんなことが渦巻いていた。
あの人にあったら、最初になんて言おう?
なんて言われるだろう?

結局、まどろむばかりで一睡もできなかった。