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律姫 -ritsuki-
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君ト描ク青空ナ未来 --完結--

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第一部・30話〜36話


30

いつの間に寝てしまったのか、目が覚めると朝だった。
晴天という言葉がふさわしい天気。

昨日、泣きながらずっと考えた。
どうすればいいのか、何をすればいいのかを。
答えは意外と簡単なところにあった。
喜田川さんの言葉の中に。

『働く先を探させるべきです』

この言葉が、答えだった。
働いて、ここを出ればいい。
住み込みでもすれば住むところも探さなくて良い。

誠司さんとは・・・お別れしないといけないけど。
でも、誠司さんの迷惑になるよりはずっといいはずだから。
それに、いつまでもお世話になる訳にいかないし。

昨日、そう決めた。
だからもう迷わない。

着替えて、顔を洗って、食堂へ。
いつもと変わらない、加川さん。
「おはようございます。夕べはよく眠れませんでしたか?」
「え・・?」
そう聞かれたことに違和感を覚えて時計を見ると、もう10時近かった。
「うわ、ごめんなさい!まさかこんな時間だなんて・・・!」
「いえ、いいんですよ。昨日は久しぶりに歩いて疲れたでしょうから。誠司さまからも起きるまで起こすなといいつかってますし。昼食も近いですから、朝食は少し少なめにしておきますね」
「あ、はい、ありがとうございます」

優しくされると、どうしても決心がにぶりそうになる。
加川さんでもそうなのに、もし誠司さんに会ってしまったら、この決心が無駄になりそうで怖い。

「あ、それから。今日の昼過ぎに買い足したいものがあるので少し出かけてきます。留守番をお願いできますか?来客も電話もおそらくないと思いますが、もしあっても応えなくて大丈夫です」
「あ、はい、それなら大丈夫です」
「そうですか、ではお願いします」

タイミングが、良い。
加川さんが留守にするってことは、この家に僕しかいなくなるってこと。

仕事を探すと決めたときに思い浮かんだのは仲原先生の言葉。

『何かあったらいつでも連絡してきてね。君にはしたいと思ったことをする権利があるから。なんなら働き口も紹介するしね』

もちろんただの社交辞令かもしれない。
それでも、今はこの言葉に頼るしかなかった。

人の家の電話を勝手に使うのが悪いことだなんて知ってるけど、少しだけ使わせてもらおう。

誠司さんと会わないうちに決めてしまわないと心が揺れそうで怖い。
だから、今日のうちに決めてしまうのが一番いい。

「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」

もう食べなれてしまった美味しい朝食。
朝陽を浴びながらこれを食べられるのももう少し。
今のうちに味わっておかないといけない。



昼になって、いつも通り昼食を食べたあと、予定通り少しお出かけをする加川さんを見送った。
「それでは、行って参ります。2時間ほどで帰りますのでよろしくお願いします」
「はい、いってらっしゃい」

ドアが閉まって、すぐに行動を開始した。
一瞬でもあとで、と思ってしまうと結局行動できないことが予想できるから。