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律姫 -ritsuki-
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novelistID. 8669
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君ト描ク青空ナ未来 --完結--

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第一部 Be filled with the dark and encounter the light





高校の入学式の前日、自宅に鳴り響いた、一本の電話。
この日から、全てが変わってしまった。


『いやよ、どうして私たちがあの子を引き取らなきゃいけないの?』
『仕方ないだろ、うちが引き取るのが一番いいと言われたら断れない』
『あんな子、うちの家名が穢れるわ』


その電話は、母の死を告げる電話。
原因は、交通事故。

別れは、突然。
何の前触れもなく訪れる。

気づいたころからずっと母さんに育てられた。
父さんがいない理由は知らない。
それでも母は幸せそうだったから、いつの間にかそれで十分だと思ってた。

親戚関係も何もない、母子家庭。
状況を把握するのには、小学校高学年にもなれば十分。
俗に言う、『駆け落ち夫婦』なんだと、なんとなく理解していった。

豊かじゃなかった。
欲しいものはいつも我慢していた気がしたし、家も狭かった。

それでも・・・ずっと、幸せだった。



電話がかかってきたあとも、ドアを見つめ続けた。
『ただいま、空流。遅くなったわ』
そう言って、母さんが帰ってくるって・・・。

母さんがもういないなんて・・・信じられなかった。


葬儀は、アパートの大家さん夫婦がとりしきってくれて・・・僕は何も覚えてない。

これからどうなるんだろうとか、そんなことを考えるんじゃなくて、ずっと、頭にもやがかかって、何も考えられなかった。

「お前が、空流か?」
声をかけてきたのは、中年の太った男の人。
葬儀用の黒いスーツを着ているけど、誰だかわからない。
問いかけに、一回、うなずく。

「私たちがお前を引き取ることになった。こっちに来なさい」

言われるがままに、奥の和室へと入る。
そこには、何人か葬儀用の服を着た、大人たち。

「この子が、お前の妹の子どもだ」
引き合わされたのは、母よりも大分年上の女性。
つまりこの人は、母さんの姉。

「そうだ。」
「いやよ、どうして私たちがあんな子を引き取らなきゃいけないの?」
「仕方ないだろう、うちが引き取るのが一番いいと言われたら断れない」
「こんな子がいると、うちの家名が穢れるわ」
「お前の妹の子だ、お前が責任もって面倒を見ろよ」
「なんで私が・・。あの子もよくもまあこんな恥さらしの跡を残して死んでくれたわ」

母さんが恥さらし・・・?
僕は恥さらしの跡・・・?

「まあいい、とりあえずこんなところは早く離れるぞ」

怒る気力も泣く気力も、何もなかった。