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白狼のクォンタム

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プロローグ



――ねえ、ところで。あなたの名前は?

……名前、おぼえてないの?
それなら、あたしがつけてあげる。

そうね……クォ……クォにしましょう!
あたしが大好きなお話に出てくる、大好きな騎士さまの名前からつけてあげたわ。
今度あなたにも読んであげるわね。

騎士さまの名前は、クォンタムっておっしゃるのだけれど、あなたは半人前だから、クォね。
……半人前ってわかる?
……わかんないのね。

でも、仕方ないわね。クォはまだまだちいさいもの。
あたしはもう十歳だし、背もクォより大きいから、あたしがお姉さんね!

そうよ、あたしはあなたのことをクォって呼ぶから、クォもあたしのことをお姉さんって呼ぶのよ。
さ、呼んでみてっ

……な、なによ、ヘンな顔なんてしてないんだから!
これは、その……お姉さんって呼ばれるのって、いいなって……

これ?これは、ハグよ。
これからあたし達は家族になるのだから、家族は、ぎゅーってするものなの。

お父様が帰ってこられたら、クォのことを紹介しないといけないわね。
……大丈夫よ。お父様はとってもやさしいし、それに……あたしがついてるもの。
よしよし、お姉さんがついていますからね。

作品名:白狼のクォンタム 作家名:今朝人